コロンビアのメディア、EL TIEMPOが2020年5月24日に出した記事を和訳したいと思います。
コロナウイルスは収穫期を迎えたコーヒー生産国にも大きな影響をもたらしています。
元記事↓

コロナ渦中のコーヒー収穫
マスクは農園での新しい必須アイテムである。コーヒーの名産地では、収穫に十分な人手がある。
コーヒー収穫の朝は早い。
しかし近頃では始業時間が更に早まっている。コーヒーピッカーは必要な装備をつけ、他の労働者と2mのソーシャルディスタンスを保たなければいけないからだ。
サウル・リスカノはコーヒーピッカーになって10年が経つ。
その内の何年かは、リサラルダ県にあるヘノバ農園で過ごした。
彼にとって一番辛いのは、家族を守らなければいけないと知りながらも、彼らの側にいられないことである。
「私たちは気をつけなければいけません。ここには40歳を超える人がたくさんいます。その為、外出せず仕事を続けるように勧められました。」
マスクのは快適ではないと語る。収穫作業中だけでなく、農園にいる間は常に身につけていないといけないのだ。
「常にマスクをつけたり消毒したりするのはとても嫌ですが、じきに慣れるでしょう。みんなの健康の為です。」
リサラルダ県では3月から5月の収穫期には4万人の人手が必要になる(その他の農園労働者も含める) 。そしてほとんどの自治体では人手は確保できている。
「私たちは作業中は1,5mから2mの間隔を保たなければならず、常にマスクをつけ、仕事が終わったら消毒ジェルをつけなければいけません。最後にブーツを石鹸水に漬け込みます」
農園のリーダーであるアルバロ・アルシアは言う。
また、もしコーヒピッカーが外出した場合、その人物はもう帰ってくる事を許されないと言う。全ては感染病の為だ。
これらの自治体には、いくつかの大きな農園があり、毎年のように隣町のプエブロリコの先住民保護区から来る数百人のピッカーが必要だった。
しかし今年はコロナウイルスの流行により、このコミュニティがピッカーとして保護区の外に出ることを許可しなかったのだ。その大半がエンベラチャミ族に属する。
各市町村では全ての感染予防対策が講じられた。
ヘノバ農園の責任者であるレオナルド・エスコバルは泊まり込みの労働者についてこう話す。
「2段ベッドの間隔を2m保っています。労働者にはマスクと除菌ジェルを持たせ、収穫に使用する道具は洗浄します。午後はできるだけコントロールできるよう努めています。人々は村に出かけるべきではありません。」
幸いにもコーヒーの木は1m間隔で植えられている。
「全員まとまっては作業をさせず、少人数で散らばる様に作業をしています。そして、ここはこれ以上誰も入ってくることを許可しません。市長までもが数人連れてくると電話をかけてきましたが、感染を防ぐために誰も受け入れませんでした。」エスコバルは言った。
他に変わった事といえば昼食の時間だ。
以前はピッカー全員が時間を共有していたが、今は指定された距離を保たなければいけない。
「私たちは他の人と距離をとらなければいけません。以前は肩を並べて昼食をとっていましたが、今は2m距離を開けなければいけないのです。」
コーヒーピッカーのクラウディア・ロレナ・マルランダは言う。
アピアとサントゥアリオとは違い、他の自治体は通常通りだった。
いつもならカウカ県、ウィラ県、ナリーニョ県から労働者が来ていたが、今年は来ることができなかった。しかし、同県で仕事がなくなったバイクタクシーの運転手や路上の物売り、街で職を失い田舎に帰らざる得なくなった人たちで労働力の穴埋めができたのだ。
「これらの人々は、ほぼ大半の自治体でコーヒー収穫に携わり、ペレイラの様に労働者が余ったケースもあります。」リサラルダ県の生産組合の責任者であるホルヘ・ウンベルト・エチェベリ氏は述べた。
今のところ、リサラルダ県のコーヒーピッカー内での感染は確認されていない。しかし、キンディオ県ではすでに初めの感染者がでている。
キンディオ県のコルドバにある農園で働いていた他県出身の18歳若者だ。
彼は呼吸器官の症状をうったえ隔離されており、集落の中にある宿舎で感染テストが行われた。
キンディオ県生産者組合の責任者のホセ・マルティン・バスケスは「彼らはこの状況と隣り合わせにいます。コーヒーピッカーは常に感染のリスクがあるという事を頭に入れ、感染を防ぎ、もし症状がある場合は躊躇せずに連絡する事が大切です。」
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