コーヒーを摘みながら、ふと思ったことがあるんです。
「ここの農園のコーヒーが美味しい」とか
「この生産者が賞をとった」とか
そういう情報しか耳にしない日本の方って
ひょっとして
『美味しいコーヒーがとれる農園のコーヒーは全部おいしくて、そうじゃない農園でとれるコーヒーは全部まずい』
と思っていませんか?
カップオブエクセレンス1位の農園だって、まずいコーヒーを作っていますし、一般的な農園だって美味しいコーヒー作れます!
今日はそんな誤解をときたい思います。
様々な種類のコーヒー
世の中には様々なコーヒーが存在します。
おしゃれなカフェで飲む600円のコーヒーがあれば、
100円で買えるコンビニコーヒー、
一杯に換算すると数十円のインスタントコーヒー、
これらすべてコーヒーです。
ではそれぞれの原料となるコーヒーはどの様な違いがあるのでしょう?
Aさんの農園のコーヒーはおしゃれなカフェで売られるコーヒー。
Bさんの農園のコーヒーはインスタントコーヒーになるコーヒー。
こんなふうに分けられると思ってはいませんか?
ブッブー 不正解です(`・ω・´)
どんなコーヒーがスペシャルティになるの?
最近日本でもよく耳にするスペシャルティコーヒー。
スペシャルティコーヒーは1杯のコーヒーになる前はどんな姿をしているのでしょうか。
スペシャルティコーヒーを作る為には、かなりの手間がかかります。
まずコーヒーピッカーはこんな感じでコーヒーを摘んできます。

優秀なピッカーを雇うと、赤く熟した実だけ摘んでくれますが、9割のピッカーは上の写真の様な摘み方です。
熟し切っていないチェリーは味に大きくマイナスに影響するので、一粒一粒手作業で取り除く必要があります。
さらに脱穀後、虫食いなどのディフェクト豆をさらにひとつひとつ手で取り除きます。
こうして選別に選別を重ねた豆だけがスペシャルティコーヒーとなり得ます。
*スペシャルティコーヒーの基準は曖昧な部分があり、スコアが85点以上じゃないとスペシャルティではないという意見もある為、ふわっとした言い方にしておきます。笑
どんなコーヒーがコモディティコーヒーのなるの?
コモディティコーヒーとは、例えば『コロンビアコーヒー』『ケニアコーヒー』の様に、様々な地域の農園で取れたコーヒーがミックスされ、手軽な価格で売っている様なコーヒーを指します。
組合に納めるようなコーヒーは、基本的に赤い実を選別するような作業は行いません。
つまり、先ほど紹介した写真のようなピッカーが摘んできたコーヒーを、選別せずにそのまま加工して組合に売ればコモディティコーヒーとなります。
海外に輸出している農園も、収穫時期外のコーヒーや出来の良くないロットのコーヒーなどは組合に出していたりします。

どんなコーヒーがインスタントコーヒーになるの?
コモディティコーヒー以下のコーヒーは、インスタントコーヒーの原料や、国内消費用のコーヒーとして飲まれることになります。
コーヒーは、収穫されたあと一度水に浸けるという工程があるのをご存知でしょうか。
未熟チェリーや虫食いがあるチェリーは、密度が低いので水に浮きます。

それらのチェリーは取り除かれ、沈んだコーヒーと分けて加工されます。
乾かすとこんな感じ。コロンビアではパシージャと呼ばれます。

このコーヒーを組合に持っていけば1キロ16円くらいで買い取られ、先ほどのコモディティコーヒーとは分けて取り扱われます。
ひとつの農園からいろんな品質のコーヒーができる!
ここまで読んでいただけたらお分かりかと思いますが、最終的にどんなコーヒーになるかは農園で分けられるのではなく、農園内での選別によって分けられます。
有名な農園でも、熟してないのに摘んでしまった実や虫食いは、特別扱いされることなくパシージャですし、
普通の農園でも赤い実だけを選んで虫食い豆取り除く作業を行えば美味しいコーヒーはできます(^ω^)
その『美味しいコーヒー』の美味しい度合いを競うのがカップオブエクセレンスなどの大会なんですよね(^ω^)
カップオブエクセレンスは誰でも参加できるので、大きい農園が優勝するとは限りません。
私たちのコーヒーもいつか出品できればなーと思っています。
私のブログの内容は基本的に全部コロンビアについてです。
国によって加工法や流通システムが異なるので「ふーん」くらいの気持ちで読んでください(゜ω゜)
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