こんにちは。
今コロンビアは大規模デモ真っ最中です。
4月28日から続いているのでもう3週間くらい経ちますね。
デモの内容についての詳細はこちらをご覧ください。
本当はもっと現地の人目線で色々書きたいのですが、やっぱりいろんな人の目があるからworld voiceではちょっと遠慮しちゃいますよねー(・ω・`)なのでそういう内容はこっちのブログで書きます(^ω^)
というわけで今は激しくデモをしていて、政府に対する抗議として道路を閉鎖していたりするんです。場所によってはスーパーマーケットがすっからかんになってたりするんだとか。
流通がとまっているので、鶏が死んでしまったり牛乳を破棄せざるを得なかったり、いろんなところに影響を受けています。
政治家はそれをすごく非難するんですよね。
「ここまで育てた農家の苦労が無駄になった」って言って、あたかも「農家のために我々は声をあげている!」みたいな風にね。
でも実際農家は今まで散々政治家に見下され放ったらかしにされてきたので、彼らはこの抗議を支持してたりするんです。
だって、自国の農家をサポートしないで海外から安く大量に野菜を輸入したりするし、インフラ整備にもお金を出さないから農家は作った農産物を市場まで運ぶのにすごくお金と労力がかかるし、でも農家じゃ生きていけないからと言ってコカの葉を摘んでたら頭上から飛行機で発ガン性のあるグリフォサートを撒かれたりするんですよ。
この道路封鎖でブーブー言ってるのは政治家とお金持ちくらいじゃないでしょうか。
政治家は経済回らないと困るし、お金持ちは自分の会社の経営に影響受けますからね。
でも失業率20%、貧困率42%のこの国では抗議して現状を変えなきゃお先真っ暗な人が沢山いるわけですよ。
そんな中でコロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)の代表はこんなツイート

「ほら!コーヒー生産者がみんな困ってるでしょ!」って。あたかも生産者の我々の声を代弁してあげてると言わんばかりのツイート。
でも、ぶっちゃけ私たちの仕事はコーヒー作って農協に売るまでなんです。農協に売ってしまえばその後どこでどう売られるか分からないので、別に農協が管理してるコーヒーに想いを馳せる事なんてないんですよ。コーヒーをお金に換金さえできればそれで生活するので輸出できなかろうが何だろうが現時点でダメージはありません。(買い手が誰か分かっていてそのお客さんの為に作るコーヒーとなると話は別ですが)
FNCの今のロベルト代表はコーヒー農家の現状をよく理解されていて、個人的にはとても好きなんですが、このツイートにはさすがに「あぁん?」となりました。
案の定、彼の意見にそうだそうだと言っているのはコーヒーの実にすら触ったことのない様な都会でいい暮らしをしている人たちばかりで、コーヒー農家からはネガティブな返信が集まっています。




コロンビアのメディアは「デモ隊が放火した」とか「何丁武器を押収した」とか、暴徒化したデモ隊の報道ばかりしていますが、その裏で警察による暴力が海外や様々な人権団体から問題視されています。
Investigan caso de joven que murió en Cali por presunto disparo de un policía durante el #ParoNacional28Ahttps://t.co/nlZyG9rdPw pic.twitter.com/ueE31uoVIK
— elespectador (@elespectador) April 29, 2021
上の動画は第3の都市カリでできた出来事。警察のバイクに蹴りを入れた少年に発砲しています。この後銃弾が頭に当たって少年は亡くなりました。「公務執行妨害で逮捕」ではありません。撃ち殺したんです。
⚠️ATENCIÓN: acá esta la prueba. Los supuestos civiles estrato 20 que dispararon contra la minga indígena hoy en Cali lo hicieron con presencia/complicidad de la Policía Nacional. Hay 8 indígenas heridos. El uribismo sigue masacrando al pueblo.#SOSColombia #SOSCaliColombia pic.twitter.com/GmtrSzROlG
— ¡A la carga! (@gaitan_presente) May 9, 2021
上の動画は先住民集団が襲撃された時の動画。一般市民の格好をした男性が警察の真後ろで発砲したのにも関わらず、警察は何もしません。
国民はこの白いシャツの人達を、政府と繋がりのある武装組織だと考えているようです。(名前を出すのは控えます)
この日、カリではこの白いシャツの人たちが白いトヨタ車に乗って銃を至る所で乱射していたのですが、デモに参加する人たちには政府がこの乱射事件に関わっていると疑っている人も少なくありません。
更にカリでは、デモ隊の様な格好をした人たち(私服警察)が警察署で朝礼をしている写真や、デモ隊の様な格好をした人(私服警察)が警察の所有するトラックからたくさん下車している動画がSNSで拡散されています。
わたしにはこの私服警察の目的が分かりません。身分を隠して銃で市民を攻撃しようとしているのか、警察に攻撃するふりをして暴徒化を先導したいのか。SNSでは様々な証拠動画が出回っていますが、政府や警察からは何の説明もありません。
コロンビアのデモには毎回、極左と極右の武装組織の事情が絡んでくるのでとても複雑なデモになるんです。
今コロンビアは混乱に包まれていて、フェイクニュースや事実を切り取った情報も大量に流出しているので、無責任に画面で見る情報を全部真実としてシェアするのはかなり危険だと感じています。
言えることはこのデモの収束はまだまだ先になりそうなこと、抑え込めても政府への大きな不信感は残ること、コロンビアの二極化がどんどん進んでること…。
2021年はこれからのコロンビアを大きく左右する様な年になりそうです。
コメント