スポンサーリンク

トラック爆発事故とその裏に潜む貧困問題

コロンビア

お久しぶりです。

日本の九州地方の豪雨による被害はこちらでもニュースになっています。

犠牲者のご冥福をお祈りいたします。1日でも早く被害に遭われた方々の日常が戻りますように。

 

コロンビアも最近、過剰な雨による水害のニュースを度々目にします。

(ウィラ県の様子 semana.com)

また私が住んでいるアンティオキア県も、少なくとも15の自治体で土砂崩れなどの大雨の被害が出ているとの報道がありました。

さて、今日はコーヒーとは離れて、7月6日にコロンビア南部でおきた悲劇的な事故と、そこで浮き彫りになったコロンビアのダークサイドについて書こうと思います。

 

マグダレナ県でガソリンを積んだトラックが爆発。7人死亡49人負傷

https://www.semana.com/nacion/articulo/explota-camion-cisterna-en-la-via-barranquilla-cienaga-7-muertos-y-49-heridos/684460

バランキージャとシエナガ結ぶ高速道路上で、ガソリンを積んだタンクローリーが爆発。速報時は7人死亡との報道でしたが、翌日には13人に死者数は増えています。(これからも増える思います)

負傷者の数はメディアによって異なり、60人を超えるとの報道もあります。

こちらは爆発の瞬間をとらえた動画。↓

¿Por qué explotó camión cisterna en Tasajera. Magdalena?

動画を見ればお分かりだと思いますが、大勢の人がポリタンクをもってタンクローリーを囲んでいます。

彼らはガソリンを盗むために集まり、目撃者によれば2人の男性がタンクローリーのバッテリーを盗もうとし、バッテリーから上がった火花に引火して爆発したとのこと。

このプエブロビエホ市のタサヘラで起こった事故は、事故の内容だけでなく、その背景にも注目を集めているようです。

 

国に見捨てられた町

このニュースを目にしたとき、一番初めに思ったのは「横転したガソリンが積まれたタンクローリーとか、危なくて普通近づかないよな〜」でした。

子供ならともかく、ポリタンクを持って集まったのは大の大人ばかりです。

おそらくこのニュースを見た多くの人が同じことを思うでしょうが、タサヘラがどんな所かを知れば、その理由が分かると思います。

 

下の写真は、事故が起きたタサヘラがあるプエブロビエホ市の写真です。

ゴミだらけです。

貧困地区で、教育がしっかり行なわれていない証拠でしょう。

プエブロビエホ市は、電気や水道の設備も満足に整っておらず「政府に見捨てられた地」と言われている地域のひとつ。

国からの援助や貧困対策を受ける事が出来ず、住民はみな貧困と空腹に苦しんでいます。

『ゴミポイ捨てすると環境汚染に繋がる』、彼らに環境問題を考慮する余裕などありません。

そこにゴミがあるから自分も捨てる。そんな連鎖がこのゴミの町を生んでしまいました。

みんな生きることで精一杯なのです。

今回の事故でタンクローリーを運転していた男性は「住民が寄ってきたから助けてくれるのかと思ったのに、みんな一目散に盗みを始めた」と証言しています。

ポリタンクを持って集まった男性の中には家族を持つお父さんも少なくなかったでしょう。危ないのは承知で家族を養う為にガソリンを盗もうとしたんだと思います。

Twitterで「親友のお父さんがトラックの運転手で、同じ場所で事故にあった。でも住民は積んであった食べ物を盗むだけで彼を助けなかった」という投稿も見つけました。

「人の命より盗みを優先させるなんて!」と思われてしまいそうですが、彼らは生きるのに必死なだけなんです。

 

話は変わりますが、私が住んでいる山には、隣の県まで続くガソリンのパイプが通っています。

以前そのパイプは土に埋まっていたのですが、数年前何らかの理由でパイプが破裂。

土にガソリンが染み渡り、ガソリンを抜き取る工事をつい最近までやっていました。(今もたまにガソリンの臭いがします)

私のパートナーによると、その時ガソリンを盗む為に集落の人たちが容器を手に集まったそうです。

私が住んでいる集落にも貧困に苦しんでいる人がたくさんいます。

そんな環境で生活しているからこそ、今回の事故の事情はよく理解できました。

 

コロンビア人同士の差別やヘイト

SNS上ではこの事故に関してのたくさんのヘイト投稿を目にしました。

「ここではいつも事故が起こる。住民が罠を仕掛けているからだ。」

「泥棒にバチがあたっただけ。カルマだ。」

「コステーニョ(カリブ海側の人たち)はいつになったら学ぶんだ」

等々。

盗みは確かによくないですが、彼らの中には水や電気すらも十分に得ることができない人たちがいるのです。そんな彼らがボゴタやメデジンの人同様の教育を受けているとは思えませんし、チャンスがあれば盗もうとしてしまうのも一概に否定できません。

 

更に悲しいことに、ヘイト以外にも今回の悲劇的な事故をミームやジョークに使用するコロンビア人がたくさんいました。

「シエナガ人(事故が起きた地域の人)販売開始」
「神様、ガソリンありがとう」と言った後に爆発がおき、コロンビアの南部の人のトレードマークである帽子が吹き飛ぶ

 

コロンビアはとても大きな国です。

地域によってそれぞれの個性があり、私が住むアンティオキア県の人は“パイサ“、首都のボゴタの人は”ロロ“と呼ばれるなど、土地でかなり区別されます。

パイサとロロは仲が悪いことで有名で、アンティオキア県の人にボゴタについて聞くと「あいつらに道を聞くな。反対の方向教えてくるぞ」とか「ロロは冷たい。挨拶しても無視される」などと、ボゴタの悪口ばかり言われます。

また、今回の事故が起きた地域の人は”コステーニョ“と呼ばれ、だらしがなく何かとお金をぼったくってくるというステレオタイプみたいな考えがあります。

今回の件も、こういったコステーニョを馬鹿にする様な思いから来たものもあるのではないでしょうか。

 

おわりに

「横転したタンクローリーが爆発し、○名死亡」

とタイトルだけ見ると、ありがちな事故のニュースのようですが、背景にはコロンビアのブラックな部分が隠れています。

タサヘラだけでなく「見捨てられた地」はコロンビアにはたくさんあり、見捨てられた土地でなくても貧困で苦しむ国民は全国にたくさん居ます。

今回の悲劇で、コロンビアの現状に注目がより集まり、彼らの様な貧困地区の状況が少しでも改善されること願います。(希望は薄いですが)

コメント