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スペシャルティコーヒーと適正価格が分からなくなってきた

コーヒー

なんだか最近とってももやもやする事があったので久しぶりにブログを書く事にしました。

内容は「スペシャルティーコーヒー」と「適正価格」について。

こう書くと日本の市場の話に聞こえると思いますが、コロンビアの話なのです。

このモヤモヤに解決策は無いと思いますが、ちょっと愚痴らせてください。

 

スペシャルティコーヒーってなんだろう

数日前、同じ地域の3つのコーヒーブランドがインスタライブを行っていました。

「この地域のスペシャルティコーヒーはコロンビア1だ。うちのスペシャルティもすごく美味しい!」と胸を張っていたので、どんなコーヒーなんだろうとこの3つのアカウントを見にいったのですが、投稿をみてびっくりしました。

なんか収穫がとっても雑。

熟しが足りないどころか全く熟れていない緑色のチェリーが目立ち、後から取り除いているのかと思いきやそのまま果肉除去機にかけているようでした。

これがスペシャルティなのか…?

私達は収穫する際、完熟しか摘みません。乾燥させた後も目視で全ての豆一つ一つに目を通して虫食いなどのデフェクト豆を取り除いています。(エクスポーターさんに見た目が優等生すぎると言われたほど)

そこまでやらないとスペシャルティではない!とは言いませんが、クリーンなカップにするためには緑色がこんなに混じっているなんて論外ですし、日本スペシャルティコーヒー協会のウェブページにも「欠点豆が極めて少ない生豆」との表記があります。収穫したチェリーをソーティングしない農家は、大抵生豆の状態でのソーティングはほとんどやっていません。面倒くさいから。

こういったコーヒをスペシャルティとして国内で販売していることにモヤっとしているのです。コロンビアの消費者はコーヒーのことを正直あまり知らないので、スペシャルティと言われたら「これがスペシャルティね」と信じてしまいます。やっと国内で高品質コーヒーが消費され始めたので、消費者には正しい知識をつけてもらいたいと思っていますし、何よりちゃんとしたスペシャルティを作ろうと寝る間も惜しんで選別しているのがバカバカしくも感じてしまいます。だって選別していなくてもスペシャルティとして同じ価値で販売出来てしまうわけですから。

  

別の日の出来事。

私はメデジン市内のコーヒー屋さん巡りが好きでよくインスタで良さそうなカフェを探しています。

ある日なかなかオシャレなカフェを見つけました。プロフィールにはスペシャルティコーヒーの文字が。売っているコーヒー豆の袋にもデカデカとスペシャルティコーヒーと書かれています。

どこのスペシャルティコーヒーかと思っていろんな投稿に目を通したのですが、どこのコーヒーかの記載が全くありません。農園どころか、どこの県のコーヒーかすらどこにも記載はありませんでした。

書いてあるのは「アラビカ100%、コロンビア100%」という事だけ。(コロンビア人ってやたらと100%って書きたがります…)

 

スペシャルティってなんなんだろう…。

私の肌感覚に過ぎませんが、こちらでは「自分たちにとってこれは特別なコーヒーだから、これはスペシャルティコーヒー!」といったノリでスペシャルティコーヒーを名乗るブランドは少なくありません。

でも、これでは本当のスペシャルティコーヒーの価値が下がってしまうように感じるんです。

とは言ってもスペシャルティコーヒーの条件がはっきりしていない以上、なんとも言えませんね。「美味しければなんでも良いじゃん」と言われればぐうの音も出ませんし。

 

適正価格?

ありがたい事に、私たちのコーヒーはコロンビア国内のカフェで使ってもらっています。

初めて売るとなった時、金額設定に困ったのですが、こちらにいる日本人のエクスポーターさんに「このコーヒーは日本で○円で売られるレベルのコーヒー」と言われた値段で売っています。中間業者を通さずこの値段で売るのはちょっとずるいかな?と思いながらも生産量が少なく生活を稼がないといけないのでその値段で売っていました。

先日村のコーヒー農家の知人と偶然会ったの少し話したのですが、彼はうちの1,5倍の値段で売っているとのこと。そのコーヒーを見せてもらったのですが、ぱっと見でも欠点豆がいくつか見受けられますし、なんか美味しくなさそう。

ここの農家のことはよく知っていますが、彼らはソーティングはしません。脱穀して焙煎機が温まるまでの時間に目についた欠点豆を少し取り除く程度なんです。でも値段はうちの1,5倍で売っていると…

先程お話ししたスペシャルティコーヒー?も私たちのコーヒーよりもうんと高く売られています。

私たちのコーヒーの値段を上げれば良い話かもしれませんが、果たしてそれでいいんだろうか…

日本でも1杯1000円くらいのホテルで提供されるコーヒーが不味くてけしからんみたいな話を聞いたことがありますが、こちらでもちゃんと手間をかけている美味しいコーヒーとそうで無いコーヒーの区別というか差別化みたいなをしっかりできないものかと考えてしまいました。

コメント

  1. Daisuke より:

    Bogotaのカフェでブログを偶然拝見し、内容にとても共感したので思わず書いています。私は農園から買付けをし輸入し、ロースターもしている身ですが、私もスペシャルティの定義を無視した品質が日本でも横行していることにモヤモヤしていましたし、もうスペシャリティと名乗る事を止めようかなと思った時期もありました。日本でも同じ状況です。ハンドピックするぐらいなら、もっといい豆を扱えばいいのになと思います。

    高品質に熱心に取組む農園のコーヒーを取扱っている分、余計に思いますし、美味しくないスペシャルティコーヒーもあるんですね!と思う消費者の声になんと答えれば良いか困る時があります。その誤解こそが勿体無いと思ってしまいます。ましてや品質に見合わない高価格で販売しているお店は消費者に多大な勘違いを植え付けてしまいます。
    そのうち消費者の舌も肥えて美味しくないコーヒーには見向きもしなくなる日が来る事を願いながら続けています。

    高品質なコーヒー生産は手間が無茶苦茶かかりますので大変だとは思いますが陰ながら応援させていただきます。
    これを機に他のブログ記事も読ませていただきます。