最近、日本のコーヒー豆屋さんで『生産者』として農園主の写真をコーヒー豆と一緒に紹介しているお店をよく見るようになりました。
生産者のやる気にもつながりますし、消費者はコーヒーをより身近に感じられるとてもとてもいい取り組みだと思います (^ω^)
ただコーヒー栽培の背景には農園主だけではなく様々な人が携わっています。
今日はコロンビアの一杯のコーヒーにはどんな人が関わっているのかをざっくり紹介します。

農園主
まずは農園主。コーヒーを栽培する土地の持ち主です。
バイヤーとやりとりしたり会合に出席したり、農園の顔として責任を問われる立場でもあります。

マヨルドモ
規模が大きい農園になってくるとマヨルドモを雇っている農園も少なくありません。
マヨルドモは、農園に住み込み、農園主に変わって農園や労働者を取りまとめる人を指します。
『農園主は農園の敷地内に住んでおり、毎日コーヒーチェリーを摘んでいる』と思っている方は少なくないと思いますが、”農園主は都心に住んでおり、マヨルドモが農園主の代わりに農園の世話をしている”というケースはそれほど珍しくありません。
コーヒー農家の縁の下の力持ちですね。

期間労働者
コーヒーの実は常になっているわけではなく、収穫時期があります(年1、2回)
収穫はスピード勝負。数千本数万本あるコーヒーの木から赤い実だけを摘まなければいけない為、もたもたしていると過熟になってしまいます。
ここで登場するのが期間労働者。収穫のプロフェッショナルたちです。
彼らはコーヒー摘みを専門としているので、私が摘む3、4倍のスピードでガシガシ摘んでくれます。
そして、収穫時期は毎日収穫に勤しみますが、収穫がない時期は草刈りや剪定、他の作物の世話などかなりハードな労働もこなしてくれる何でも屋さんでもあります。(本当助かる)
ただ、小規模農家で働く期間労働者は毎日仕事があるとは限らない為、数カ所の農園を掛け持ちし、なるべく収入を安定させなければなりません。
中には安定した収入で家族を養う為に収穫期を迎えた国を転々としている期間労働者もいるそうです・・・。

生産者組合
コロンビアにはFNCという生産者組合があります。
大半の農家はこの生産者組合の農協にコーヒーを売りに行きお金を受け取っています。
そしてこの組合は、ただコーヒーを買い取るだけではなく、コロンビアコーヒーの品質向上の為に支援や技術指導を積極的に行っているのです。
試験農場に生産者を集め実践指導したり、youtubeで様々なノウハウを紹介したり、農家を直接訪問して個々にアドバイスをくれたり・・・
すごいですよね?これだけ生産者組合がサポートしてくれる国は他にはないと思います(`・ω・´)ゞ

終わりに
今日はさっくり短めに書いてみました。
日本に一時帰国した際、コーヒー屋さんで生産者として一人の写真が紹介されているのを嬉しく思う反面、うちで働いてくれている労働者の顔が頭をよぎり、この記事を書くことにしました。
「小規模農家」と聞くと家庭菜園の少し大きい版くらいをイメージされるかもしれませんが、実際何千本の木を数ヘクタールに渡って植えていても『小規模』なのです。
ぜひ、次コーヒーを飲む際に、その手元にある一杯のコーヒーの背景には様々なバックグラウンドを持った人たちが関わっていることを考えながら飲んでみてください(∩´ω`∩)
またいつもとは違ったコーヒーの味を感じられるかもしれません。
余談・・
いつか私がオンラインショップを始めるようなことになったら、農園の名前やコーヒーの品種だけでなく、生産者や労働者の名前を全てオープンにし、彼らがコーヒー農園に携わるようになった経緯やコーヒーに対するパッションなど、文章だけでなく動画も交えて紹介できたらもっと楽しいだろうなと妄想しながら今日もコーヒーを摘んでおります・・・
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